建材等の化学物質放散速度に関する基準
■ 改正建築基準法
2003年施工の改正建築基準法には、クロルピリホスの使用禁止、ホルムアルデヒド使用建材の制限がもうけられています。これにともなって、経済産業省においても建材関係のJISの新設や改訂が行われています。
ホルムアルデヒドの放散に関する等級区分（建築基準法施行令第20条の7）
| 種類 | 表示 | 内装使用の制限 | 放散速度(μg/m²･h) |
|---|---|---|---|
| 制限対象外 | F☆☆☆☆ | 面積制限なし | 5以下 |
| 第三種 | F☆☆☆ | 床面面積の5倍(換気回数0.7/h以上) 2倍(換気回数0.5～0.7/h) | 5～20 |
| 第二種 | F☆☆ | 床面面積の0.8倍(換気回数0.7/h以上) 0.35倍(換気回数0.5～0.7/h) | 20～120 |
| 第一種 | 無し | 使用禁止 | 120超 |
■ 建材からのVOC放散速度基準
建材からのVOC放散速度基準化研究会（事務局：財団法人建材試験センター）
| 対象VOC | 略記号 | 放散速度基準値(μg/m²･h) |
|---|---|---|
| トルエン | T | 38 |
| キシレン | X | 120 |
| エチルベンゼン | E | 550 |
| スチレン | S | 32 |
測定法
JIS A 1901 小形チャンバー法
建材等から放散される揮発性有機化合物の測定法として、2003年に小形チャンバー法が制定されました。
| 小形チャンバー法試験条件 | |
|---|---|
| チャンバー気積 | 20～1000L |
| 温度 | 28℃ |
| 相対湿度 | 50％ |
| 換気回数 | 0.5回/h |
| 試料負荷率 | 2.2m²/m³など |
| 試験期間 | 1日、3日、7日、14日、28日など |
小形チャンバー試験の図[画像クリックで拡大]
２０Lチャンバーシステム[画像クリックで拡大]
その他の小形チャンバーも完備しております
６５Lチャンバー[画像クリックで拡大]
１m³チャンバー[画像クリックで拡大]
また、大形チャンバーも完備しており、大型物品（家具、大型家電、ピアノなど）の放散試験も実施できます。
５m³チャンバー[画像クリックで拡大]
２２m³チャンバー[画像クリックで拡大]
２５m³チャンバー[画像クリックで拡大]
５７m³チャンバー[画像クリックで拡大]
関連規格
JIS A 1901 建築材料の揮発性有機化合物（VOC）、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法－小形チャンバー法
JIS A 1902-1,2,3,4
JIS A 1911、JIS A 1912 大形チャンバー法
JIS A 1460 パーティクルボード、MDF
JIS A 6921 壁紙
JIS K 5601-4-1 塗料
JIS A 6922 接着剤
JAS規格 合板、集成材、単板積層材
ボーケン法 家具、カーテン、カーペット、建築資材
GB/T23825-2009（中国国家規格） 木質パネルおよびその製品含有ホルムアルデヒド放
散量測定―ガス・アナリシス法
⇒チャンバーを用いた放散試験の事例（サービス事例にリンク）
